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MMRワクチン
著者: 川名林治1
所属機関: 1岩手医科大学医学部細菌学教室
ページ範囲:P.1078 - P.1079
文献購入ページに移動麻疹(measles),流行性耳下腺炎(mumps)および風疹(rubella)は,それぞれ小児を主として侵す代表的なウイルス感染症である.また風疹は,妊娠初期の妊婦の罹患によって,先天性風疹症候群(congenital rubella syndrome)の児が出生するので,特に注目されている.麻疹や流行性耳下腺炎は,その疾患の重いことや,合併症や後遺症をもたらすことなどから,ぜひとも防ぎたいものである.
長年の努力が実って,これらの疾患に対する弱毒生ワクチンが登場し,さらに三つのワクチンを混合したMMRワクチンが,1989年春から麻疹の定期接種の時期に合わせて実施されるようになり,大変歓迎された.特徴として,三つの疾病に同時に免疫ができ,単味ワクチンと同程度の副作用で,麻疹の定期接種時に使用でき,接種回数の減少による労力,時間,費用の節減になり,かつ集団免疫効果も期待された.本稿を依頼された以後,MMRワクチン(統一株)について,流行性耳下腺炎(ムンプス)ワクチンによる副反応として無菌性髄膜炎の合併が注目され論議されている.これらの問題を含めて,トピックス欄の話題として考察してみたい1〜4).
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