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技術講座 生化学
M蛋白の検出と検査の進めかた
著者: 〆谷直人1 大谷英樹1
所属機関: 1北里大学医学部臨床病理学教室
ページ範囲:P.27 - P.32
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M蛋白(単一クローン性免疫グロブリン)は,一般に日常の電気泳動法で幅の狭いバンド,あるいは尖鋭なピークとして観察される.M蛋白が疑われる場合には,次いで免疫電気泳動法によりM蛋白のクラスとタイプを決定しなければならない.M蛋白は約20種類のものが知られているが,特に診断的意義のあるM蛋白には,IgM型M蛋白とH鎖病蛋白とがあり,IgM型M蛋白がIg/dl以上の場合は原発性マクログロブリン血症を疑い,H鎖病蛋白が同定された場合はH鎖病と確定診断できる.また,単一クローン性L鎖(Bence Jones蛋白)は血中より尿中の検出率が高く,B細胞系の悪性化腫瘍(骨髄腫,原発性マクログロブリン血症など)の診断に有用である.免疫電気泳動法でM蛋白の同定が困難な場合には,immunofixation法などの特殊な方法を用いるか,あるいはM蛋白を抽出精製して分析しなければならない場合もある.
M蛋白(単一クローン性免疫グロブリン)は,一般に日常の電気泳動法で幅の狭いバンド,あるいは尖鋭なピークとして観察される.M蛋白が疑われる場合には,次いで免疫電気泳動法によりM蛋白のクラスとタイプを決定しなければならない.M蛋白は約20種類のものが知られているが,特に診断的意義のあるM蛋白には,IgM型M蛋白とH鎖病蛋白とがあり,IgM型M蛋白がIg/dl以上の場合は原発性マクログロブリン血症を疑い,H鎖病蛋白が同定された場合はH鎖病と確定診断できる.また,単一クローン性L鎖(Bence Jones蛋白)は血中より尿中の検出率が高く,B細胞系の悪性化腫瘍(骨髄腫,原発性マクログロブリン血症など)の診断に有用である.免疫電気泳動法でM蛋白の同定が困難な場合には,immunofixation法などの特殊な方法を用いるか,あるいはM蛋白を抽出精製して分析しなければならない場合もある.
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