icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻1号

1991年01月発行

文献概要

技術講座 生化学

M蛋白の検出と検査の進めかた

著者: 〆谷直人1 大谷英樹1

所属機関: 1北里大学医学部臨床病理学教室

ページ範囲:P.27 - P.32

文献購入ページに移動
サマリー
 M蛋白(単一クローン性免疫グロブリン)は,一般に日常の電気泳動法で幅の狭いバンド,あるいは尖鋭なピークとして観察される.M蛋白が疑われる場合には,次いで免疫電気泳動法によりM蛋白のクラスとタイプを決定しなければならない.M蛋白は約20種類のものが知られているが,特に診断的意義のあるM蛋白には,IgM型M蛋白とH鎖病蛋白とがあり,IgM型M蛋白がIg/dl以上の場合は原発性マクログロブリン血症を疑い,H鎖病蛋白が同定された場合はH鎖病と確定診断できる.また,単一クローン性L鎖(Bence Jones蛋白)は血中より尿中の検出率が高く,B細胞系の悪性化腫瘍(骨髄腫,原発性マクログロブリン血症など)の診断に有用である.免疫電気泳動法でM蛋白の同定が困難な場合には,immunofixation法などの特殊な方法を用いるか,あるいはM蛋白を抽出精製して分析しなければならない場合もある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?