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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻1号

1991年01月発行

文献概要

検査ファイル

用語●乳児ボツリヌス症

著者: 井上博雄1

所属機関: 1愛媛県立衛生研究所

ページ範囲:P.80 - P.81

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[1]ボツリヌス菌と毒素
 ボツリヌス菌は芽胞を有するグラム陽性の偏性嫌気性桿菌であり,土壌細菌として,塵埃や食物を介して,われわれが絶えず身近に接している菌である.この菌から産生される毒素前駆体は蛋白分解酵素で分解されて活性化され,コリン作動性神経接合部に作用して,アセチルコリンの遊離を阻害する.その結果,弛緩性筋麻痺を起こし,時に呼吸不全によって死亡する.
 菌型は毒素の血清型によって8型(A,B,C1,C2,D,E,F,G)に分類される.また,蛋白分解能の有無など生物学的および生化学的性状に基づいて,1群(A型と蛋白分解性のB型,F型),2群(E型と糖分解性,蛋白非分解性のB型,F型),3群(C1型,C2型,D型),および4群(G型)に分類されている.乳児ボツリヌス症の原因菌はほとんどすべてが1群に属する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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