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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻10号

1991年09月発行

文献概要

検査ファイル

項目●BCA 225

著者: 石和久1 川島徹1 八木義弘2

所属機関: 1順天堂大学浦安病院検査科 2順天堂大学浦安病院外科

ページ範囲:P.858 - P.860

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[1]概要
 乳癌の腫瘍マーカーとしてCEA,カゼイン,ラクトアルブミン,シアリルトランスフェラーゼなどの報告があるが,特異性および感度の両面から満足できるものは少ない.近年モノクローナル抗体の作製技術の進歩により,乳癌ではそれぞれ2つのモノクローナル抗体を組み合わせたCA 15-3(115 D 8,DF 3)およびBCA 225(CU 18,CU 46)が開発され臨床的に用いられている.これらは乳癌に対して特異性が比較的高く,進行癌の診断および術後のモニタリングに有用であるとされている.
 BCA 225はCU 18およびCU 46の2種類のモノクローナル抗体より構成されているが,これらの抗体はMesa-Tejadaらによりヒト乳癌細胞株T 47 D培養上清中の糖蛋白質分画を免疫原として作製されたものである.CU 18とCU 46の抗体サブクラスはいずれもIgG1であり,また両抗体が認識する抗原は免疫組織学的に乳癌に特異的であるとされ,分子量はいずれも225kDと250 kDの2種類である.現在CEA,CA 15-3とともに,臨床的に乳癌の治療効果観察に有用性の高い腫瘍マーカーとされている1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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