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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻10号

1991年09月発行

文献概要

検査ファイル

項目●1,5-アンヒドログルシトール

著者: 奥住裕二1 森三樹雄1

所属機関: 1獨協医科大学越谷病院臨床検査部

ページ範囲:P.861 - P.863

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はじめに
 1,5-アンヒドログルシトール(AG)は,グルコースとは1位の水酸基の有無だけが異なる環状ポリオールである(図1).AGは,1888年にヒメハギ科の植物中に発見され,その後1975年Pitkanenが,糖尿病患者において血漿中のAGが著明に低下していることを報告した.一方,わが国において1980年代に入って,赤沼,吉岡らがそれぞれ独立に糖尿病患者血漿中のAGの低下を再発見し報告している.これらの発見以降,主に日本において糖尿病とAGの関係について詳細な研究が進められてきた.
 このAGという物質は,健康なヒトの血液中にグルコースのおよそ1/40(25μg/ml)存在する1).ところが糖尿病の発症によりグルコースが尿中に排泄されるようになると,AGは著しく体内から失われ,血中濃度は低下する.このようにAGは,糖尿病において著しく低下する特異なマーカーであり,近年その有用性が注目されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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