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ヒドラジン系桑剤によるラジカル生成およびDNA損傷
著者: 山本亙二1 川西正祐2
所属機関: 1学術振興会 2京都大学医学部公衆衛生学教室
ページ範囲:P.884 - P.886
文献購入ページに移動全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus;SLE)は腎病変,心血管病変,皮膚症状,その他の全身症状を伴う原因不明の自己免疫疾患で,患者血清には細胞の核成分に対する自己抗体である抗核抗体が含まれる.SLEに似た症候群が薬剤により惹起されることがあり,その場合にも抗核抗体がみられる.ヒドラジンの芳香族誘導体である血圧降下薬ヒドララジンはそのような副作用を持ち(図1),またマウスで発癌性を示したという報告がある.筆者らは,最近,ヒドラジン化合物(ヒドラジン,メチルヒドラジン,ヒドララジン,イソニアジド)を含む発癌物質が,銅やマンガンなどの重金属イオンの存在下で活性酸素を生じDNA損傷をもたらすことを見いだした1〜4).ここでは,ヒドララジンによるDNA損傷とSLE発症との関連を述べるとともに,DNA損傷の解析に用いた手法を説明する.
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