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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻11号

1991年10月発行

文献概要

マスターしよう検査技術

プール血清の簡易的な作製法

著者: 山舘周恒1 関口光夫1

所属機関: 1日本大学医学部附属板橋病院臨床検査部

ページ範囲:P.949 - P.954

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はじめに
 精度管理は信頼性の高い臨床検査データを提供するために欠かすことのできない“検査室の義務”のひとつであり,現在,これに用いられる多種多様な管理血清が市販されている.市販管理血清は凍結乾燥品が主流であるが,溶解液,添加物,溶解時の手数とその精度などの問題点が指摘され,近年,凍結状態の管理血清も発売されている.このように多くの種類の管理血清が供給されるようになったことから,精度管理を目的としたプール血清を自家調整する検査室は非常に少なくなってきている.その製法に関する二,三の文献もみられるが1,2),その数は限られている.
 自家製プール血清には,経済性,適応項目数の多さ,添加物の有無が明らかであるなど,多くの有用性があり,イオン選択電極に対する防腐剤や,酵素活性測定での添加酵素の由来などの影響を考慮して調整することができる.しかし,その作製には多くの手数と時間を要することから,作製意欲がしだいに薄れてきているのも事実である.筆者らの検査室では年に一度の恒例行事としてプール血清を作製しているが,長年の経験から,その作製手順を簡略化してきているのでここに紹介する.この方法ではデスクタイプの1枚のフィルターに代えて,カートリッジフィルターを使用しており,血清の濾過に費やす時間が短縮される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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