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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻11号

1991年10月発行

トピックス

カテプシンL

著者: 唐渡孝枝1 勝沼信彦1

所属機関: 1徳島大学酵素科学研究センター酵素化学部門

ページ範囲:P.979 - P.981

文献概要

はじめに
 高等動物に存在するリソゾームは,各種高分子化合物の細胞内での分解を担っているオルガネラである.蛋白質に関しても,細胞構成蛋白質ならびに,外来蛋白質ともに,最終的にはリソゾームで分解されるものが多い.このリソゾームには蛋白質分解酵素が各種存在しているが,その中でもシステインプロテアーゼは重要な役割をしている群であり,特にカテプシンB,H,L,J,Sは代表的なものとして知られている.
 カテプシンLは筆者ら1)とKirschkeら2)が,おのおの独自に,初めてラット肝より単離精製に成功したプロテアーゼであるが,その極端な不安定性と低含量のため,他のカテプシン群に比して研究が特に遅れ,完全な構造と遺伝子構造が決定されたのは最近である.このLが特にリソゾームにおける蛋白質分解のイニシエーションに大きな役割を果たしていることが,最近明らかになりつつあり,大変重要視されている.ここでは,このLの性質,構造,機能(病態との関係)について,筆者らの得た結果を中心として紹介したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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