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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻12号

1991年11月発行

文献概要

病気のはなし

甲状腺機能亢進症

著者: 紫芝良昌1

所属機関: 1虎の門病院内分泌代謝科

ページ範囲:P.998 - P.1004

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サマリー
 米国のブッシュ大統領が甲状腺機能亢進症であることが明らかになって,急にこの疾患に対する社会的関心が高くなった.この機会に甲状腺機能亢進症の病因,その解明の歴史,現在行われている治療法など,医学に関係ある人が知っておく必要のあるエッセンスを述べる.
 バセドウ病甲状腺機能亢進症は臓器特異的自己免疫疾患のひとつで,まだわからないことも多いが,サプレッサーT細胞の機能不全によってTSH受容体に対する自己抗体が産生され,この抗体がTSHのように甲状腺を刺激することによって甲状腺機能亢進状態になるものと考えられている.現在の治療は薬剤,131I,手術により甲状腺組織を抑制または破壊してホルモンの分泌を正常化するものであるが,これにより免疫学的異常もある程度正常化しうるものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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