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検査データを考える
血中・尿中カテコールアミン異常
著者: 中井利昭1
所属機関: 1筑波大学臨床医学系臨床病理
ページ範囲:P.1069 - P.1072
文献購入ページに移動はじめに
検査室への血中・尿中カテコールアミン測定依頼が,最近増加してきている.これは医師からのニーズの増加以外に,検査室でも依頼に対する対応が早くなったためと思われる.すなわち以前はその測定が,やや煩雑で困難であったが,最近はかなりの大病院でルーチン検査となってきたし,また中・小病院では比較的容易に外注されるようになってきている.血中・尿中カテコールアミンの異常高値が,直接疾患の診断に役立つのは褐色細胞腫に限るといってよい.神経芽細胞腫は,カテコールアミン高値のこともあるが,その代謝産物であるVMA(バニルマンデル酸)やHVA(ホモバニリン酸)の測定のほうが診断上有用である.以上のほかに本態性高血圧症,甲状腺疾患,家族性自律神経失調症,特発性起立性低血圧症などでその病態との関連がいろいろ報告されているので,褐色細胞腫の疑いの場合以外はカテコールアミンの測定が無意味であるということではない.
検査室への血中・尿中カテコールアミン測定依頼が,最近増加してきている.これは医師からのニーズの増加以外に,検査室でも依頼に対する対応が早くなったためと思われる.すなわち以前はその測定が,やや煩雑で困難であったが,最近はかなりの大病院でルーチン検査となってきたし,また中・小病院では比較的容易に外注されるようになってきている.血中・尿中カテコールアミンの異常高値が,直接疾患の診断に役立つのは褐色細胞腫に限るといってよい.神経芽細胞腫は,カテコールアミン高値のこともあるが,その代謝産物であるVMA(バニルマンデル酸)やHVA(ホモバニリン酸)の測定のほうが診断上有用である.以上のほかに本態性高血圧症,甲状腺疾患,家族性自律神経失調症,特発性起立性低血圧症などでその病態との関連がいろいろ報告されているので,褐色細胞腫の疑いの場合以外はカテコールアミンの測定が無意味であるということではない.
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