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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻12号

1991年11月発行

文献概要

生体のメカニズム・11

特異性抗体ができるしくみ

著者: 松橋直1

所属機関: 1冲中記念成人病研究所

ページ範囲:P.1073 - P.1075

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抗原・抗体の特異性は多様,その数は?
 抗原は無数 ヒトや動物は,環境にある無数といってよい病原体・アレルゲンなど自分のものとは異なる物質(抗原)に絶えず曝され,時には害を受けている.これを防ぐため免疫能が高度に発達している.この免疫の特徴は抗原に対して特異的に働く点である.したがって免疫の担い手の抗体・リンパ球は無数の抗原と同じ数の種類がなければならないことになる.しかし,いったいどのくらいの数の抗原性物質があるのであろうか?
 107程度 環境にある物質は無数で多様といっても,化学構造の類似するものや同一の物質を含むものも多数あり,抗原としてみれば,その種類の数は減る.さらに抗体または免疫リンパ球が認識する部位であるエピトープは,アミノ酸にして4〜6個程度であり,一定の立体構造を持っているので,一見異なる物質または新合成物質であっても,エピトープとしてみるとき,化学構造・立体構造が同じか近似のものも多数ある.これを整理すれば107程度の種類の特異性を考えればほとんどの抗原性物質はこの中に入ろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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