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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻13号

1991年12月発行

トピックス

医療におけるテクノロジー・アセスメント

著者: 池田俊也1 池上直己1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部病院管理学教室

ページ範囲:P.1177 - P.1178

文献概要

はじめに
 近年の医療技術の進歩はめざましく,毎年,数多くの新技術が開発され,われわれ医療従事者に紹介されてきている.臨床検査の領域においても,最新の手法,機器が次々と導入されている.そうした新技術が既存のものに比べて,より有効,正確,迅速,簡便,非侵襲的,そして安価といった利点ばかりであるならば申し分ないが,これらの目標は相反する場合がしばしばある.鳴り物入りで登場した新技術が種々の問題点のために普及するには至らなかったり,あるいは普及したものの医療費高騰の要因として批判の的になっている場合もある.それどころか,後になってかえって有害であることが明らかになったものも知られている.そのような状況の中で,開発されたばかりの新技術をその普及前に事前評価すること,あるいはすでに普及し定着している技術の再評価を行うことの必要性が認識されてきている.
 医療におけるテクノロジー・アセスメント(medical technology assessment;MTA)は,こうした必要性に応えるための手法である.すなわち,医療技術をその安全性や有効性などの医学的視点はもとより,経済的,社会的側面などから多角的,総合的,包括的に評価する行為であり,その対象は,最新の検査技術はもちろん,医療従事者により用いられる手技,医薬品,機器,方法および制度のすべてに及ぶ1〜4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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