文献詳細
文献概要
検査法の基礎
フェロカイネティクス
著者: 溝口秀昭1
所属機関: 1東京女子医科大学血液内科
ページ範囲:P.109 - P.114
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フェロカイネティクスは,身体全体の赤血球産生能を調べる検査である.つまり,放射性鉄(59Fe)を静注し,血漿から消失する速さを測定する.その速さは骨髄の赤芽球の総量に比例するので,全造血を測定することになる.その後,59Feは網赤血球中のヘモグロビンとして血中に出て来るので,その程度を測定する.それは有効造血を測定することになる.このうち特に意義のあるのは,全造血の測定が可能となる点である.したがって,本検査は主に骨髄での赤血球産生が低下した再生不良性貧血や骨髄異形成症候群の診断には欠かすべからざる検査となる.さらに体外計測を加えれば,骨髄線維症の髄外造血の診断にも有用となる.
フェロカイネティクスは,身体全体の赤血球産生能を調べる検査である.つまり,放射性鉄(59Fe)を静注し,血漿から消失する速さを測定する.その速さは骨髄の赤芽球の総量に比例するので,全造血を測定することになる.その後,59Feは網赤血球中のヘモグロビンとして血中に出て来るので,その程度を測定する.それは有効造血を測定することになる.このうち特に意義のあるのは,全造血の測定が可能となる点である.したがって,本検査は主に骨髄での赤血球産生が低下した再生不良性貧血や骨髄異形成症候群の診断には欠かすべからざる検査となる.さらに体外計測を加えれば,骨髄線維症の髄外造血の診断にも有用となる.
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