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剖検脳のマクロ・モルフォメトリー
著者: 深沢仁1
所属機関: 1秋田県立脳血管研究センター病理
ページ範囲:P.124 - P.124
文献購入ページに移動 近年,磁気共鳴画像(magnetic resonance imaging;MRI)をはじめ生前の画像診断技術が目覚ましく発達し,神経系の形態学的診断にも大きな変革がもたらされた.しかし,そのことは,剖検脳のマクロの検索が不要になることを意味するものではない.われわれ病理医の検査対象となる脳は,剖検・固定・薄切などの操作によって必然的に生体内とは異なった形になっている.したがって,脳切片そのものについての定量的な記載は,生前の画像診断と病理組織所見とを比較するうえでも極めて重要である.われわれは摘出・固定された脳において,その肉眼所見から,なるべく多くの診断的価値のある情報を得ようとして,種々の試みを行ってきた.例えばここに見られるように,割面上の主な構造物の輪郭線を色分けし,おのおのの長さとその囲む面積のデータから,大脳皮質の体積や表面積を計算で求めることも,その一つである.
通常,大脳の前額断または水平断で,定間隔(約10mm)の平行割面を作り,写真撮影を行い,各割面上の諸構造の輪郭線を,単純閉曲線の集合として,ディジタイザーを通してコンピューターに入力する.すべての割面で,各曲線の長さとその囲む面積を計算し,台形則とステレオロジーの原理を応用して,立体としての諸量を算出する(脳と神経,38,487〜494,1986).
通常,大脳の前額断または水平断で,定間隔(約10mm)の平行割面を作り,写真撮影を行い,各割面上の諸構造の輪郭線を,単純閉曲線の集合として,ディジタイザーを通してコンピューターに入力する.すべての割面で,各曲線の長さとその囲む面積を計算し,台形則とステレオロジーの原理を応用して,立体としての諸量を算出する(脳と神経,38,487〜494,1986).
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