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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻2号

1991年02月発行

文献概要

技術講座 微生物

ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)感染のDNA診断

著者: 高田道夫1 鈴木正明1

所属機関: 1順天堂大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.131 - P.136

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サマリー
 ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)は分離培養ができないため,血清型(serotype)としてではなく遺伝子型(genotype)として分類されている.すなわち,HPVの同定は,検体からウイルス遺伝子をクローニングした後に,分子生物学的技法により既知の遺伝子型と比較するのが原理となっている.HPVは少なくとも現在まで63型に分類されている.このウイルスのDNA診断に使われる手法は①Southern blot法,②dot blot法,③in situ hybridization法,④PCR法が生なものである.①はHPVの型別の際に用いる.感度,特異性はよいが,測定操作が煩雑で操作に長時間を要する.②は測定操作が簡易であり,操作時間も短く,多量検体の処理が可能であるが,ウイルス属内の特異性を判定するのが困難である.③は検索組織像を損なうことなく,感染細胞の形態的特徴,さらに細胞組織中でのDNAの局在を知ることができる.④はDNA断片がhybridizationで検出できないくらい微量しか含まれていないような場合でも,検出可能なレベルまで増幅できるが,コンタミネーションに弱い欠点もある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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