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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻2号

1991年02月発行

文献概要

検査ファイル

項目●ハプトグロビン

著者: 佐藤祐二1

所属機関: 1筑波大学附属病院血液内科

ページ範囲:P.162 - P.163

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 ハプトグロビン(haptoglobin;Hp)は1938年Polonovskiらによって発見された糖蛋白であり,血清電気泳動ではα2分画に含まれ,その遺伝子座は16番染色体長腕上に存在する.Hpは主に肝実質細胞で生合成されるが,細網内皮系組織(脾,リンパ節,胸腺)でも生合成される.
 Hpは血中で遊離ヘモグロビン(Hb)と等モルで結合してHp-Hb複合体を形成し,細網内皮系で短時間に処理されるため,Hpの測定は血中に出現した遊離Hbの指標となり,各種溶血性貧血の診断に利用される(赤血球10mlの溶血により血中Hp濃度は約100mg/dl減少する).遊離Hbは血中で分解を受けて容易に尿中に出現し,尿細管上皮細胞に再吸収され尿細管障害の原因となる.Hpは遊離Hbと高分子の複合体を形成することにより遊離Hbの尿中排泄を阻止し,尿細管障害および鉄の尿中への喪失を防止している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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