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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻2号

1991年02月発行

文献概要

検査ファイル

項目●尿中ヘモジデリン

著者: 入江章子1

所属機関: 1国立循環器病センター臨床検査部

ページ範囲:P.164 - P.165

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はじめに
 ヘモジデリンは生体内色素の一つで,ヘモグロビンに由来する鉄を含む黄褐色の誘導体である.ヘモジデリンは酸には溶けるが,アルカリには不溶で,鉄と蛋白以外に多糖体も含んでいることが明らかになり,過ヨウ素酸-シッフ(periodic acid Schiff;PAS)反応も陽性である.ヘモジデリンの鉄含有量はフェリチンよりも高く,37%にも達するといわれている.フェリチン蛋白質の殻が一部消化され重合したものと考えられるが,物理化学的な意味では均一な物質ではない.
 ここでは,尿中ヘモジデリンの病態を把握するために,赤血球の崩壊過程と遊離したヘモグロビンの代謝,そして腎におけるヘモグロビン処理とヘモジデリンの生成を簡単に述べ,尿中ヘモジデリンの検出法を紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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