icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻2号

1991年02月発行

文献概要

講座 英語論文を読む・2

Screening for Thyroid Disease

著者: 弘田明成1

所属機関: 1駒沢病院内科

ページ範囲:P.170 - P.171

文献購入ページに移動
 早期診断の戦略(方法)としては,スクリーニングとケースファインディング(患者の掘り起こし)の2通りに分けることができる.スクリーニングでは,病気の初期徴候を見つけるために一般大衆に検査や診察を受けさせるように勧める.甲状腺疾患の疫学調査におけるスクリーニングでは,特定の地理的区域内で抽出した住民を受診させるようにする必要がある.このような調査方法は,疑ってもみなかった疾患の広がりや広範囲スクリーニングの潜在的有用性を明らかにすることができるが,実際上の問題として,決して効率のいいスクリーニングではない.なぜならば,患者に定期検診や多種目スクリーニングを受けさせようとしても,今までに定期検診を避けてきたようなハイリスク患者はおそらく参加しないだろうからである.
 スクリーニングと違ってケースファインディングの場合では,目指す疾患とは関係のない理由で医師を受診した患者を対象にしている.一般には,医師はほかの目的のために採血した検体を甲状腺機能のスクリーニングに用いることができる.ケースファインディングはほかのどの方法よりも人口の多くを網羅することができる.なぜならば,たとえ定期的に治療を受けていない人や,スクリーニングを勧めても参加しないような人たちであっても,たいていの成人はいつかの時点で一度は医師にかかるからである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?