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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻3号

1991年03月発行

文献概要

技術講座 微生物

肺炎球菌の同定法

著者: 下口和矩1 松田淳一1 菅原和行1 賀来満夫1

所属機関: 1長崎大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.212 - P.216

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サマリー
 肺炎球菌(肺炎レンサ球菌:Streptococcus pneumoniae)はグラム陽性菌に属し,ヒトの口腔内・上気進に常在しており,健康成人の30〜70%が保有している菌である.本菌は大葉性肺炎の最も重要な起炎菌であり,そのほかに髄膜炎,中耳炎,副鼻腔炎,眼結膜炎,心内膜炎,あるいは敗血症などの起炎菌となることが知られている.一方,呼吸器感染症においては,一次性肺炎の起炎菌としていまだに重要な菌の一つであるとともに,慢性気道感染症の急性増悪を惹起する菌として,インフルエンザ菌と並んで重要な菌である.また近年,ペニシリンに対して軽度の耐性を示す菌株が各施設の検査室にて分離されてきており,この点からも注目を浴びてきている.
 今回,肺炎球菌の同定法について,従来の生化学的性状による同定法を中心に述べ,併せて簡易同定法および核酸を用いた同定法についても述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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