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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻3号

1991年03月発行

文献概要

マスターしよう検査技術

試料の秤量と溶解法

著者: 高橋十郎1 大野隆1

所属機関: 1神戸大学医療技術短期大学部

ページ範囲:P.227 - P.233

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はじめに
 化学分析は試薬や採取した試料の測定(秤量)から出発する.この天秤による秤量が正しく行われなければ,以後の操作がいかに精密になされてもその結果は徒労に終わることとなる.したがって,秤量に当たっての天秤は極めて重要な装置であり,それを正しく操作することは分析の原点といえる.天秤は用途,精度,構造(原理),操作手技などによっていろいろ分類されるが,実際の使用に当たっては実験の目的つまり用途と精度を考慮することが最も大切なことである.例えば,水酸化ナトリウムを精密な電子天秤で秤量しても意味がない.臨床検査室で用いられる一般的な天秤の分類を表1に表し,筆者らの研究室の天秤を図1に示した.
 天秤の使用に当たって特に大切なことは,秤量と感量であり,何gをどの程度の精密さで測定するかによって使い分ける必要がある.つまり,有効数字として何桁まで必要であるかがポイントとなる.秤量とは正確に測定できる最大質量であり,表示されている秤量以上は絶対に測定してはいけない.一般的には約80%を限度とする.感量とは正確に測定(もしくは読み取りの限度)できる最小質量である.天秤の精度は感量/秤量の値で表される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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