文献詳細
文献概要
講座 英語論文を読む・3
性病クリニックにおけるエイズ抗体検査に同意した患者と拒否した患者の陽性率の比較
著者: 弘田明成1
所属機関: 1駒沢病院内科
ページ範囲:P.250 - P.251
文献購入ページに移動 性病クリニックを受診したすべての患者には,ルーチン検査の一つとして任意かつ匿名のヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗体(エイズ抗体)検査およびカウンセリングが提供されることになった.3か月間の評価期間中に全患者の82%がHIV検査を受けた.抗体検査を受けた割合いは男性と女性の間,そして同性愛者と異性愛者の間では同じであった.黒人男性はほかの人種の男性に比較して検査を拒否する比率が高かった.1,146名の性病科患者中8名(0.7%)がHIVに感染していた.さらに,盲検による検査を行った237名中に9名のHIV感染者が確認された.すなわち,検査を拒否した成人男性は検査を受けたものの,5.3倍感染されやすい傾向にあった.男性同性愛者,あるいは黒人ないしスペイン系男性成人で検査を拒否した群は,検査を受けた対応群のそれぞれ7.3,8.8倍HIVに感染されやすい傾向にあった.したがって,性病科患者にはヒト免疫不全ウイルス検査およびカウンセリングを日常的に受けられるようにするべきである.HIVが広がる危険性を最小限にする意味において,男性性病科患者,特に自発的なHIV検査を拒否する同性愛者あるいは少数民族に対してカウンセリングを行うべきである.
掲載誌情報