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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻3号

1991年03月発行

文献概要

トピックス

類鼻疽(melioidosis)

著者: 三木礼子1

所属機関: 1山梨県立中央病院臨床検査部

ページ範囲:P.252 - P.253

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■病像
 「類鼻疽はヒトと動物の鼻疽に類似した感染症で変動しやすい臨床像を示し,ロバのジステンパーに類似することを意味する」と『ハリソン内科書』上巻に定義されているが,日本においては類鼻疽について記載された書籍は少ない.
 類鼻疽はPseudomonas pseudomallei(以下,P.psendomallei)に起因する感染症であり,本菌は北緯20度から南緯20度内の地方の土壌,よどんだ水,池,水田などから分離される.特に東南アジア(タイ,ベトナム,マレーシアなど)でヒトおよび動物の流行がよくみられる.1973年以降ベトナムから帰国したアメリカ軍関係者に本症が流行し,死亡例も報告されている.本菌の侵入門戸は皮膚擦過傷の土壌汚染,経口,鼻からの吸入などが考えられる.ヒトからヒトへの感染はまれにある.臨床症状は一定していない.急性,亜急性または慢性の経過をとる.不顕性感染もある.急性感染症では肺炎が多い.亜急性,慢性感染症では肺膿瘍に続いて皮下組織,髄液,脳,眼,心,肝,腎,脾,骨,前立腺,リンパ節などに膿瘍を形成し,敗血症まで進行する場合もある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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