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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻4号

1991年04月発行

けんさアラカルト

コンピュータと臨床検査技師

著者: 臼井敏明1

所属機関: 1長崎大学医学部臨床検査医学教室

ページ範囲:P.316 - P.316

文献概要

 電子工学と情報処理技術の進歩により,コンピュータ技術は急激に発達し,病院の検査室においても小型から大型まで各種のコンピュータが導入されている.確かに,その導入によって情報処理に関する部分は著しく効率化され,伝票の仕上がりも美しくなった.その効果が過大視され,検査室の中でもコンピュータの扱えない者は人でないかのように言われる時代になりつつある.しかし,私は検査技師がコンピュータ技術を習得しなければいけないという意見に対しては反対である.その一つは,コンピュータは情報処理装置であり,基本的には情報生産にはなんら関与しない点にある.第二点はハードウェア,ソフトウェアを含めてコンピュータ技術は非常に高度の発展を遂げ,素人の半端な知識ではどうにもならない代物であり,本質的にはコンピュータの専門家に任すべきである.最近ではパソコンが広く利用できることもあって,簡単なプログラムができることによりコンピュータの専門家になったような錯覚に陥ることがあるが,これを検査の領域と比較すると,尿のペーパーテストを二,三項目覚えただけで検査技師になったつもりでいるのと同じ水準である.
 コンピュータは実に広範な情報処理機能を持った装置であり,使用目的により実に多様な利用が可能であるが,検査室においては大きく分けて3種類の利用方法が考えられる.一つは検査情報処理における検査システム化であり,第二は個人的な実験研究における計算処理に使われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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