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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻4号

1991年04月発行

文献概要

検査ファイル

用語●Tリンパ球抗原レセプター

著者: 多田隈卓史1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部微生物学教室

ページ範囲:P.378 - P.379

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 自己と非自己の識別は主としてTリンパ球(T細胞)によってなされているが,その認識は当然ながら,抗原特異的レセプターを介して行われており,その解明が急がれていた.さらに,T細胞による抗原認識の特徴として,必ず自己主要組織適合性複合体(major histocompatibility complex;MHC)産物の存在を必要とする(MHC拘束性)が,T細胞レセプター(TcR)はこのMHC産物と外来抗原(異物)をいかにして一緒に認識しうるかという点でも,非常に興味が持たれていた.
 TcRは抗体と同じ遺伝子を共通に使用しているのではという考えに基づく検索は次々と失敗に終わったが,T細胞で発現されている遺伝子群からB細胞で発現されている遺伝子群を差し引くという新しい方法(サブトラクション法)の開発により,TcRの遺伝子が同定され,レセプターの構造解析やその果たす役割などについて大きな進歩がもたらされている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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