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文献概要
増刊号 臨床血液検査 II.止血機能検査 1.検査の考えかた 2)止血異常における検査とその組み立てかた
(4)止血学的分子マーカー
著者: 風間睦美1
所属機関: 1帝京大学医学部第1内科
ページ範囲:P.140 - P.145
文献購入ページに移動■止血学的分子マーカーの種類
生体の止血機能は血小板,凝固系,線溶系および血管系の四大機能によって有機的に営まれているが,この機能の低下によって出血傾向が,他方,異常亢進によって血栓症や播種性血管内凝固症候群(DIC)がもたらされる.止血機能検査としては出血時間,血小板数,活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT),プロトロンビン時間(PT),トロンボテストおよびフィブリノゲンなどの測定,および合成基質を用いるアンチトロンビンIII(ATIII),プラスミノゲン,α2-プラスミンインヒビター(α2PI;α2-アンチプラスミン)の定量法などがある.しかし,血小板数や凝固・線溶系因子のこのような定量的測定によっては,凝固亢進を検出することは不可能で,止血機能の活動性を把握するには止血学的分子マーカーの測定によらねばならない.現在,止血の四大機能の亢進を検出する数多くの分子マーカーが測定されるようになった(表12).
血小板が刺激を受けると粘着,凝集などの反応を起こし,種々の代謝産物や顆粒中の貯蔵物質を放出する(図8).これらのうち,トロンボキサンA2(TXA2)の代謝産物であるトロンボキサンB2(TXB2),α顆粒から放出されるβ-トロンボグロブリン(βTG)や血小板第4因子(PF4)が血小板活性化の分子マーカーとなる.
生体の止血機能は血小板,凝固系,線溶系および血管系の四大機能によって有機的に営まれているが,この機能の低下によって出血傾向が,他方,異常亢進によって血栓症や播種性血管内凝固症候群(DIC)がもたらされる.止血機能検査としては出血時間,血小板数,活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT),プロトロンビン時間(PT),トロンボテストおよびフィブリノゲンなどの測定,および合成基質を用いるアンチトロンビンIII(ATIII),プラスミノゲン,α2-プラスミンインヒビター(α2PI;α2-アンチプラスミン)の定量法などがある.しかし,血小板数や凝固・線溶系因子のこのような定量的測定によっては,凝固亢進を検出することは不可能で,止血機能の活動性を把握するには止血学的分子マーカーの測定によらねばならない.現在,止血の四大機能の亢進を検出する数多くの分子マーカーが測定されるようになった(表12).
血小板が刺激を受けると粘着,凝集などの反応を起こし,種々の代謝産物や顆粒中の貯蔵物質を放出する(図8).これらのうち,トロンボキサンA2(TXA2)の代謝産物であるトロンボキサンB2(TXB2),α顆粒から放出されるβ-トロンボグロブリン(βTG)や血小板第4因子(PF4)が血小板活性化の分子マーカーとなる.
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