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文献概要
増刊号 臨床血液検査 II.止血機能検査 2.検査の実際と症例の解釈 1)血小板機能検査 A.検査法
(4)血小板粘着能
著者: 新倉春男1
所属機関: 1昭和大学藤が丘病院血液内科
ページ範囲:P.153 - P.156
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血小板は止血機構および血栓形成に中心的役割を演じており,その基本的機能が粘着(adhesion),凝集(aggregation),放出反応(release reaction)である.血管壁が傷害されると,露出した血管内皮下組織に血小板が粘着し,さらに凝集・放出反応が起こり,不可逆的な凝集へと進み,血小板血栓が形成される.これらの一連の過程は急速に進むので,純粋に血小板の粘着のみを測定できる簡便な日常検査法は長い間待望されているのにもかかわらず,まだ開発されていない.
現在までさまざまな血小板粘着能の検査法が考案されているが,その中で,血小板がガラス面に粘着しやすい性質を利用したガラスビーズカラム法が日常検査として最も普及している.また,日常検査としては行いにくいが,内皮細胞を剥離させた家兎大動脈壁を用いる方法がBaumgartnerによって開発されており,より生理的に近い条件で粘着能を測定できると考えられる.
血小板は止血機構および血栓形成に中心的役割を演じており,その基本的機能が粘着(adhesion),凝集(aggregation),放出反応(release reaction)である.血管壁が傷害されると,露出した血管内皮下組織に血小板が粘着し,さらに凝集・放出反応が起こり,不可逆的な凝集へと進み,血小板血栓が形成される.これらの一連の過程は急速に進むので,純粋に血小板の粘着のみを測定できる簡便な日常検査法は長い間待望されているのにもかかわらず,まだ開発されていない.
現在までさまざまな血小板粘着能の検査法が考案されているが,その中で,血小板がガラス面に粘着しやすい性質を利用したガラスビーズカラム法が日常検査として最も普及している.また,日常検査としては行いにくいが,内皮細胞を剥離させた家兎大動脈壁を用いる方法がBaumgartnerによって開発されており,より生理的に近い条件で粘着能を測定できると考えられる.
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