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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻7号

1991年06月発行

文献概要

増刊号 臨床血液検査 II.止血機能検査 2.検査の実際と症例の解釈 2)凝固検査 A.検査法

(4)凝固因子活性 a)凝固因子欠乏試剤を用いた一段法

著者: 江川宏1

所属機関: 1関西医科大学病態検査学教室

ページ範囲:P.199 - P.202

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■測定の意義
 各凝固因子についてその生物学的活性を知ることは,以下の事項において有意義である.
 (1)先天性凝固因子欠乏症の診断.
 (2)(1)の場合,免疫学的測定法による抗原量と併せ考察することにより,その症例が量的欠乏症か分子異常症かを鑑別する.
 (3)先天性凝固因子欠乏症の保因者診断.特に血友病Aの場合,保因者の第VIII因子(F.VIII)凝固活性(coagulant activity;C)(F. VIII;C)/von Willebrand因子(vWF)抗原(vWF:Ag)比は正常女性のそれと比較すると有意に低いことから,保因者の約90%は診断が可能である.
 (4)凝固因子欠乏症患者の止血管理のモニターとして有用である(特に血友病において).
 (5)凝固因子抑制物質(インヒビター)の検出とその力価測定およびその中和能の測定ができる.
 (6)後天性要因による各凝固因子の変動を知ること,すなわち,重症肝実質障害,播種性血管内凝固症候群(DIC)およびビタミンK依存性因子のビタミンK不足などにおける凝固因子活性の低下,妊娠や経口避妊薬による上昇など.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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