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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻7号

1991年06月発行

文献概要

増刊号 臨床血液検査 II.止血機能検査 2.検査の実際と症例の解釈 2)凝固検査 A.検査法

(4)凝固因子活性 c)第XIII因子測定法

著者: 富田幸治1

所属機関: 1浜松赤十字病院小児科

ページ範囲:P.207 - P.209

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はじめに
 血漿第XIII因子(F. XIII;fibrin stabilizing factor)は2種類のポリペプチドサブユニット,すなわちサブユニットa(a,a鎖)とサブユニットb(b,b鎖)から成り,血漿中にはa2b2の分子形態(分子量=320,000±20,000)で存在する.これに対して血小板,胎盤などにもF. XIIIが存在し,サブユニットaのみから構成され,a2の分子形態(分子量=146,000±10,000)をとる.サブユニットaは分子量75,000で6個の-SH基を持ち,そのうちの一つが活性中心を構成する.サブユニットbは分子量88,000でS-S結合を16〜17個有するが-SH基はなく,酵素活性のない運搬蛋白(carrier protein)と考えられている.
 血漿F. XIIIは,血液凝固の最終段階でトロンビンとカルシウムイオン(Ca2+)によって活性化され,活性型血漿第XIII因子(F. XIIIa,活性型フィブリン安定化因子〔activated FSF〕,血漿トランスグルタミナーゼ)となる(図49).F. XIIIaはフィブリン分子間にγ-グルタミル-ε-リジン結合による架橋結合(γ-ダイマー,α-ポリマー)を形成し,フィブリン血栓を安定化させる.F. XIIIaのその他の重要な生理的作用としては,α2-プラスミンインヒビター(α2PI)とフィブリンα鎖,フィプロネクチンとフィブリンα鎖の架橋結合が挙げられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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