icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻7号

1991年06月発行

文献概要

増刊号 臨床血液検査 II.止血機能検査 2.検査の実際と症例の解釈 2)凝固検査 A.検査法

(11)後天性インヒビター a)第VIII,第XI因子インヒビター

著者: 木下忠俊1

所属機関: 1帝京大学医学部第一内科

ページ範囲:P.238 - P.241

文献購入ページに移動
第VIII因子インヒビター
 補充療法を受けている血友病患者の5〜10%に第VIII因子(F.VIII)インヒビターが生ずる.インヒビターはF.VIIIに対する同種抗体であり,それが生ずると,出血の頻度や症状に変わりはないが,投与したF.VIIIが不活性化されるので補充療法の効果が薄れ,止血が非常に困難になる.
 血友病以外でも,まれに全身性エリテマトーデス(SLE)や慢性関節リウマチ(RA)などの自己免疫疾患,アレルギー疾患,癌や出産に伴って,また特に疾患を有しない高齢者に,自己抗体としてF.VIIIインヒビターが生ずることがある.F.VIII欠乏となって出血傾向が現れ,この場合も止血治療は困難である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?