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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻7号

1991年06月発行

文献概要

増刊号 臨床血液検査 II.止血機能検査 2.検査の実際と症例の解釈 2)凝固検査 A.検査法

(12)ヘパリン—その抗凝固作用とモニター法

著者: 松尾武文1 苅尾七臣2

所属機関: 1兵庫県立淡路病院 2兵庫県立淡路病院検査部

ページ範囲:P.244 - P.249

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■ヘパリンとは
 ヘパリンは,酸性ムコ多糖体で,生物学的製剤であるため分子量は4,000から40,000の範囲にわたっているが,平均分子量は約15,000である.生物学的製剤であるため,抗凝固作用としてのヘパリンの単位は動物の全血凝固時間の延長で決めているが,最近では国際的にも標準化が進み,国際標準品と比較して決められるようになった.
 ヘパリンは,多くの薬理作用を持っているが,代表的なものは抗凝固作用と抗血栓作用である.前者は,後述するようにアンチトロンビンIII(ATIII)を介しての作用である.ヘパリンを抗凝固薬として用いる場合には,この作用を利用したもので,他の抗凝固剤と比較して,即時的な効果が得られる特徴がある.また,その半減期は1時間と短く,血中の有効濃度を維持するために注射(静注,皮下注)によって投与される.ヘパリンの抗血栓作用については,血管内皮上に存在するヘパラン硫酸結合レセプターに結合し内皮の陰性荷電を増強するためとされている.そのほかにも,血栓の溶解を促進する作用があるとされているが,その機序については解明されていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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