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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻7号

1991年06月発行

文献概要

増刊号 臨床血液検査 II.止血機能検査 2.検査の実際と症例の解釈 2)凝固検査 A.検査法

(13)可溶性フィブリンモノマー複合体

著者: 掛端健一1

所属機関: 1八戸市立市民病院臨床検査科

ページ範囲:P.249 - P.252

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■測定の意義
 種々の原因により,血液凝固が開始すると血液中にトロンビンが生成される.このトロンビンの作用によりフィブリノゲン(Fbg)が分解されてフィブリノペプチドA(FPA)とフィブリノペプチドB(FPB)を遊離し,フィブリンモノマー(Fm)が形成される.このFmはFbg,分解初期のフィブリン体分解産物(FDP),寒冷不溶性グロブリン(Clg;別名フィブロネクチン)と親和性が強く,複合体を形成する.これが可溶性フィブリンモノマー複合体(soluble fibrin monomer complex;SFMC)である.したがって,血漿中のSFMCは,微量のトロンビンが生成されたことを示す指標であり,SFMCの検査は臨床的には凝固亢進状態の把握や,血栓症,播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation;DIC)の凝血学的スクリーニング検査として用いられている.
 最近,厚生省DIC診断基準項目における補助的検査項目にも取り入れられ,他の検査と併用することにより,その病態が詳細に把握できると言われている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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