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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻7号

1991年06月発行

文献概要

増刊号 臨床血液検査 II.止血機能検査 2.検査の実際と症例の解釈 3)線溶検査 A.検査法

(1)プラスミノゲン

著者: 前川久登1 坂田洋一1

所属機関: 1自治医科大学血液医学研究部門止血血栓

ページ範囲:P.283 - P.285

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■測定の意義
 プラスミノゲンは,線維素溶解酵素プラスミンの前駆物質として血中に存在する,分子量80,000〜87,000の蛋白質である.血管内においては,プラスミノゲンは,主として血管内皮細胞から遊離される組織型プラスミノゲンアクチベーター(tPA)により活性化され,プラスミンとなる.線維素溶解反応(線溶反応)は,このプラスミンによりフィブリン血栓が溶解されてフィブリン分解産物(FDP)となる反応である.生じたプラスミンは主として,血中に存在するプラスミンの生理的阻害物質であるα2-プラスミンインヒビター(α2PI)により活性が中和され,網内系細胞により処理される.
 血中のプラスミノゲンの測定は,活性化を受けずに残存したプラスミノゲンを後述する方法で定量することである.ところが,プラスミノゲンは肝臓で合成されるため,DICなどによる消費性の低下以外に,重症肝疾患などによる合成障害でも低下がみられる1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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