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増刊号 臨床血液検査 II.止血機能検査 2.検査の実際と症例の解釈 3)線溶検査 A.検査法
(4)プラスミン・α2-プラスミンインヒビター複合体
著者: 川合陽子1
所属機関: 1慶應義塾大学病院中央臨床検査部
ページ範囲:P.292 - P.294
文献購入ページに移動■測定の意義
生体における血栓・止血機構の制御には非常に多くの血漿蛋白が関与して,凝固系と線溶系のバランスを巧みに保っている.その中で,凝固・線溶動態の鍵はトロンビンとプラスミンが握っているといっても過言ではない.
プラスミンは生体内における線溶現象の中心的役割を演じ,線維素溶解酵素(セリンプロテアーゼ;serineprotease)として機能している.そのプラスミンを直接測定することは現在のところ不可能である.従来,線溶活性の指標としては,プラスミンの前駆物質であるプラスミノゲンおよびプラスミン阻止物質であるα2-プラスミンインヒビター(α2PI)を測定し,その減少の程度によりプラスミン活性を推測してきた.しかし両者は,血中半減期は数日であり,真のプラスミン活性を反映していないと考えられる.
生体における血栓・止血機構の制御には非常に多くの血漿蛋白が関与して,凝固系と線溶系のバランスを巧みに保っている.その中で,凝固・線溶動態の鍵はトロンビンとプラスミンが握っているといっても過言ではない.
プラスミンは生体内における線溶現象の中心的役割を演じ,線維素溶解酵素(セリンプロテアーゼ;serineprotease)として機能している.そのプラスミンを直接測定することは現在のところ不可能である.従来,線溶活性の指標としては,プラスミンの前駆物質であるプラスミノゲンおよびプラスミン阻止物質であるα2-プラスミンインヒビター(α2PI)を測定し,その減少の程度によりプラスミン活性を推測してきた.しかし両者は,血中半減期は数日であり,真のプラスミン活性を反映していないと考えられる.
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