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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻7号

1991年06月発行

文献概要

わだい

ヘパリンコファクターII

著者: 櫻川信男1 広川慎一郎1

所属機関: 1富山医科薬科大学医学部臨床検査医学教室

ページ範囲:P.340 - P.342

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はじめに
 高齢化社会を迎えた今日,死因としての血栓症は上位を占め,出血性素因の血友病(hemophilia)に対して,血栓形成傾向(thrombophilia)と称され,その治療や予防法の開発が重要である.失天性代謝異常,高脂血症あるいは動脈硬化などを起因とした血管内皮細胞障害による凝固促進(組織型プラスミノゲンアクチベーター〔tPA〕放出障害,プラスミノゲンアクチベーターインヒビター〔PAI〕-1放出促進,組織因子〔TF〕放出促進,プロスタサイクリン〔PGI2〕,トロンボモジュリン,グルコサミノグリカン産生低下など)や血小板機能亢進とともに阻害因子(アンチトロンビンIII〔ATIII〕,ヘパリンコファクター〔HC〕II,プロテインC,プロテインS)や線溶系因子(プラスミノゲンやフィブリノゲン)の欠乏や異常が誘因あるいは原因とされる.阻害因子や線溶系因子に関連する血栓症には,深部静脈血栓症(deep vein〔またはvenous〕thrombosis;DVT)が多発するが,クマリン系抗凝固薬よりもデルマタン硫酸や(dermatan sulfate;DS)やペントサン硫酸(pentosan sulfate;PS)が有効であり1,2),これは血管内皮細胞のプロテオグリカン(特にグリコサミノグリカン)も関連するATIIIやHCIIの重要性を意味している3)
 本稿ではHCIIにつき概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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