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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻7号

1991年06月発行

文献概要

わだい

高ヒスチジン糖蛋白

著者: 小出武比古1

所属機関: 1姫路工業大学理学部生体物質化学第二講座

ページ範囲:P.342 - P.343

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■性状と構造
 高ヒスチジン糖蛋白(histidine-rich glycoprotein;HRG)は肝臓で合成され,血漿中のほか血小板と巨核球中に存在する分子量67,000の一本鎖の糖蛋白質である.ヒスチジン含量が異常に高い(13%)ところから,HRGと命名された.
 HRGは,近年,さまざまな角度から精力的に研究され,ヘパリン中和作用をはじめ,プラスミノゲン,フィブリノゲン(フィブリン),トロンボスポンジンなどとの相互作用,活性化血小板への結合能,種々の二価金属イオンやヘム結合能,赤血球とTリンパ球間の自己ロゼット形成阻害能,Tリンパ球結合能,さらにヘパリンの血管平滑筋細胞増殖阻害作用の中和能など,数多くの性質が明らかにされている(詳細は総説1,2)を参照のこと).HRGは種々の構造ドメインによって構成された融合蛋白質で,HRGの多機能性は,各構造ドメインがそれぞれ独立した機能を担っていることによるものと想像される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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