icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻7号

1991年06月発行

文献概要

わだい

トロンボスポンジン

著者: 安藤泰彦1

所属機関: 1東海大学医学部臨床病理

ページ範囲:P.344 - P.345

文献購入ページに移動
■正体の解明
 トロンボスポンジン(thrombospondin)は血小板α顆粒に大量に貯蔵されている糖蛋白で,血小板総蛋白量の3%を占めている.血漿中の濃度は微量(20ng/ml)であるが,血小板刺激により放出されて,局所的には比較的高濃度になる(2μg/ml).
 1971年,洗浄血小板をトロンビンで刺激すると,血小板から190kDaのポリペプチド・バンドが消失して,浮遊液中に105kDaのポリペプチド・バンドが新たに出現することが発見され,当初は,トロンビンの酵素作用の血小板における基質であろう,と考えられて,thrombin sensitive proteinと命名されていた.しかし,間もなくトロンボスポンジンは血小板α顆粒に貯蔵されていることが判明し,トロンボスポンジンと命名され,純化され,その性質が精力的に研究された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?