icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻7号

1991年06月発行

文献概要

わだい

外因系凝固抑制因子

著者: 近藤信一1

所属機関: 1神戸大学医学部附属病院中央検査部

ページ範囲:P.346 - P.347

文献購入ページに移動
はじめに
 外因系凝固は,血管内皮の損傷により暴露された線維芽細胞上の組織因子(TF),あるいは刺激を受けて内皮細胞,単球上に現れたTFと血中の凝固因子が反応することにより開始すると考えられている.TFの周辺のリン脂質に,活性化凝固第VII因子(F.VIIa)と凝固第IX因子(F.IX)あるいは第X因子(F.X)がカルシウムイオン(Ca2+)を介して結合することにより,三者複合体が形成され,そこでTF・F.VIIaによりF.IXあるいはF.Xの活性化が起こる.活性化した凝固第IX因子(F.IXa)あるいは凝固第X因子(F.X)は新たなF.IXあるいはF.Xと置き換わり,凝固の活性化は持続する.
 外因系凝固抑制因子は,このTF・F.VIIaによるF.IXaおよびF.Xaの産生を抑制し,凝固第VIII因子(F.VIII),凝固第V因子(F.V)を補助因子とする二段の凝固増幅ステップに,活性化凝固因子を提供しない働きをする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?