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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻7号

1991年06月発行

文献概要

わだい

血小板由来増殖因子

著者: 益田順一1

所属機関: 1国立循環器病センター研究所脳卒中動脈硬化研究部門

ページ範囲:P.347 - P.348

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■PDGFは血小板のみならず,他の多くの細胞でも作られている
 血小板由来増殖因子(platelet-derived growth factor;PDGF)は,1974年にRossらによって発見された,線維芽細胞や平滑筋細胞などの間葉系細胞に対する増殖促進因子である.血小板のα顆粒中に存在し,血小板の粘着・凝集の際の脱顆粒に伴って放出され,血清中に含まれる主要な細胞増殖因子の一つである.
 現在ではPDGFは,表2に示すように,血小板のみならず血管壁を取り囲む多くの細胞でも産生・分泌されることが明らかになっている.また,多くの腫瘍細胞でも産生されており,PDGF-B鎖がsimian sarcoma virusから作られるp28slsと93%のhomologyを持つことにより癌遺伝子(oncogene)との関連が注目されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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