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わだい
低分子ヘパリン
著者: 中川雅夫1
所属機関: 1京都府立医科大学第二内科学教室
ページ範囲:P.354 - P.355
文献購入ページに移動はじめに
ヘパリンの抗凝固薬としての作用は1930年半ばから知られており,抗血栓薬としての臨床効果についても従来からよく知られているところである.近年に至り,その構造と活性発現との関係に関する検討結果から,分子サイズにより抗凝固活性に差異のあることが知られ,従来から使用されてきたヘパリンに比較して低分子分画のヘパリンでは抗活性化第II因子(F.IIa)作用が弱く,抗活性化第X因子(F.Xa)作用は高値を示すこと,また活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)に対する延長作用も弱いことが報告されている.臨床的にはこうした検討成績に基づいて抗凝固剤としての検討がなされ,低分子ヘパリンの使用によるいくつかの臨床的有用性が報告され,近年,注目を集めるようになってきた.
本稿では現在までに報告されている低分子ヘパリンの基礎的検討成績とともに,臨床応用の成績に関する報告を紹介することにする.
ヘパリンの抗凝固薬としての作用は1930年半ばから知られており,抗血栓薬としての臨床効果についても従来からよく知られているところである.近年に至り,その構造と活性発現との関係に関する検討結果から,分子サイズにより抗凝固活性に差異のあることが知られ,従来から使用されてきたヘパリンに比較して低分子分画のヘパリンでは抗活性化第II因子(F.IIa)作用が弱く,抗活性化第X因子(F.Xa)作用は高値を示すこと,また活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)に対する延長作用も弱いことが報告されている.臨床的にはこうした検討成績に基づいて抗凝固剤としての検討がなされ,低分子ヘパリンの使用によるいくつかの臨床的有用性が報告され,近年,注目を集めるようになってきた.
本稿では現在までに報告されている低分子ヘパリンの基礎的検討成績とともに,臨床応用の成績に関する報告を紹介することにする.
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