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増刊号 臨床血液検査 III.血液病理検査 2.細胞学的検査
2)フローサイトメトリー
著者: 神林宏1
所属機関: 1虎の門病院免疫部
ページ範囲:P.384 - P.392
文献購入ページに移動はじめに
血液病理学検査においてフローサイトメトリー(flow cytometry;FCM)を行う意義は,浮遊細胞集団の持つパラメーターを定量的にとらえることにより,従来の顕微鏡的な組織診断に細胞学的な要素を加え診断価値を向上させるところにある.さらに近年,組織培養の技術や単クローン抗体(モノクローナル抗体)などを併用して構成細胞の性質を経時的に調べることにより,動的な病態の把握が可能となりつつある.ほかにもFCMの技術は染色体分析,DNAやRNAの核酸解析などに応用され,さまざまな分野で急速な発展を遂げつつあり,今や血液病理学検査においても必須のテクニックとなっている.
しかし,このFCMの技術は複雑かつ熟練を要することもあり,技術者間や施設間でのばらつきが見られ,FCMの普及の障害となっていることも事実である.この克服には的確なマニュアル作りと緻密な情報交換が必要であろう.
血液病理学検査においてフローサイトメトリー(flow cytometry;FCM)を行う意義は,浮遊細胞集団の持つパラメーターを定量的にとらえることにより,従来の顕微鏡的な組織診断に細胞学的な要素を加え診断価値を向上させるところにある.さらに近年,組織培養の技術や単クローン抗体(モノクローナル抗体)などを併用して構成細胞の性質を経時的に調べることにより,動的な病態の把握が可能となりつつある.ほかにもFCMの技術は染色体分析,DNAやRNAの核酸解析などに応用され,さまざまな分野で急速な発展を遂げつつあり,今や血液病理学検査においても必須のテクニックとなっている.
しかし,このFCMの技術は複雑かつ熟練を要することもあり,技術者間や施設間でのばらつきが見られ,FCMの普及の障害となっていることも事実である.この克服には的確なマニュアル作りと緻密な情報交換が必要であろう.
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