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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻9号

1991年08月発行

マスターしよう検査技術

装置定数法による実測K値の求めかた—(酵素活性測定の自動分析法における検量の実際)

著者: 大貫経一1 山崎忠夫1 桑克彦2

所属機関: 1国立水戸病院研究検査科 2筑波大学医療技術短期大学部

ページ範囲:P.763 - P.768

文献概要

はじめに
 酵素活性を同一の測定原理と測定条件の方法で測定したとき,測定装置が異なっても同じ値にならなくてはいけない.このとき装置ごとに異なった値になるのは,検量係数の設定に誤りがあるからである.
 連続計測法による酵素活性値の表しかたは,反応指示物質の1分間当たりの吸光度変化量に一定の係数を乗じて行う.すなわち,酵素活性値を37℃の測定温度下で,国際単位U/lで表現するときは,U/l,37℃=⊿A/min×1/ε×1/l×SV+RV/SV×106(ε:モル吸光係数l・mol-1・mm-1,l:光路長mm,SV:試料容量μl,RV:試薬容量μl)となる.このとき1/ε×1/l×SV+RV/SV×106=Kと置き,Kの正確な値を求める必要がある.しかし,自動分析装置ではこれらの各パラメーター(ε,l,SV,RV)の正確な値はまったく不明である.すなわちK値は装置ごとに,かつ反応ラインごとにすべて異なる.したがって,正しい検量のためのKの値は各パラメーターについてそれぞれ正しい値を求めて計算するか,あるいは個々のパラメーターを求めないで一括してK値を求めるかを行う.このように求めたK値を実測K値という.このうち前者は技術的に実施が容易でない.しかし後者はいたって簡単に求まる.これは測定試薬を用いて既知濃度の反応指示物質の吸光度を求めて算出するものである.そして,そのための反応指示物質も,現在5種類のものがいつでも入手できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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