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文献詳細

雑誌文献

検査と技術19巻9号

1991年08月発行

検査ファイル

項目●パルスエコー法

著者: 石出信正1

所属機関: 1東北大学医学部第1内科

ページ範囲:P.772 - P.773

文献概要

 超音波を用いた検査法は非侵襲的で,かつ得られる情報が豊富なことから,日常診療に欠かせない手段となっている.その中でパルスエコー法は最も一般的に行われている方法である.この方法では超音波(数メガヘルツ)をごく短時間,例えば百万分の数秒だけ,すなわちパルス状に生体に入射し,反射された音(エコー)が帰ってくるまでの時間を測定し,反射を起こす物体の存在と距離を計算する.この操作は高速度(例えば1秒間に数千回)で繰り返すことが可能なので,超音波振動子(プローブ)から物体までの距離の変化を時間分解能よく測定できる.反射の強さを輝度の強さとして示し,Y軸には距離,X軸には時間をとって表示するのがMモード表示である.
 超音波ビームを入射する位置あるいは入射方向を変えることにより,反射を起こす物体がどこにあるかを知ることができる.以前,単一方向にしかビームを出せない振動子を用いていた時代には,この操作を検査者が用手的に行っていた(例えばMモードスキャン法).その後,高速度で振動子を動かすメカニカルスキャン法が開発され,生体内組織の断層像をほぼリアルタイムで表示するBモード法が可能になった.現在では電子式にビームを制御する電子スキャン方式が主流になっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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