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文献詳細

雑誌文献

検査と技術2巻1号

1974年01月発行

文献概要

病気のはなし

脾臓の病気

著者: 中尾勈1

所属機関: 1関東逓信病院体液研究室

ページ範囲:P.16 - P.19

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脾臓の働き
 脾臓は,胎生期にはすべての系統の血球を造るが,生後はリンパ球と単球のみを産生しています.しかし,ある種の病的状態になると昔にもどって,胎生期と同じように,赤血球,白血球や栓球などを造ることがあります.赤血球の寿命は約120日とされますが,赤血球が老化して寿命が尽きると,主として脾臓でこわされ,白血球や栓球の一部も老化すると脾臓に取り込まれて処理されます.細菌や原虫も脾臓の貧食機能によって取り込まれます.脾臓ははまた免疫グロブリンのうちのIgMタンパクの産生にあずかっています.
 また働きのうちで特に脾臓の病気に関係深いのは,骨髄での血球の産生を調節する器官であることで,骨髄の造血を促進させたり,抑制したりする両面の作用があるとされています.しかし,脾臓の病気の多くは抑制的に働いているといえます.だからいくつかの病気では,脾臓をとることによって治癒します.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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