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病気のはなし
脾臓の病気
著者: 中尾勈1
所属機関: 1関東逓信病院体液研究室
ページ範囲:P.16 - P.19
文献購入ページに移動脾臓は,胎生期にはすべての系統の血球を造るが,生後はリンパ球と単球のみを産生しています.しかし,ある種の病的状態になると昔にもどって,胎生期と同じように,赤血球,白血球や栓球などを造ることがあります.赤血球の寿命は約120日とされますが,赤血球が老化して寿命が尽きると,主として脾臓でこわされ,白血球や栓球の一部も老化すると脾臓に取り込まれて処理されます.細菌や原虫も脾臓の貧食機能によって取り込まれます.脾臓ははまた免疫グロブリンのうちのIgMタンパクの産生にあずかっています.
また働きのうちで特に脾臓の病気に関係深いのは,骨髄での血球の産生を調節する器官であることで,骨髄の造血を促進させたり,抑制したりする両面の作用があるとされています.しかし,脾臓の病気の多くは抑制的に働いているといえます.だからいくつかの病気では,脾臓をとることによって治癒します.
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