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文献詳細

雑誌文献

検査と技術2巻10号

1974年10月発行

文献概要

最近の検査技術

フローボリュームメーター

著者: 佐々木英忠1 滝島任1

所属機関: 1東北大第1内科

ページ範囲:P.33 - P.39

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フローボリューム曲線の原理
 肺という臓器は空気を吸い酸素を体内に取り入れ,また呼出することによって炭酸ガスを体外にはき出すという役割を持つ性質上,空気の出はいりがどの程度円滑に行われているかという成績を把握しておくことは,肺機能検査のうちで最も基本的な検査目的であり,その一つにフローボリューム(Flow-volume)曲線があげられる.
 フローボリューム曲線は通常図1の右側のごとくに描かれ,縦軸にフローを横軸に肺気量をとり,最大吸気位から最大呼気位まで力いっぱい呼出した時,A,B,C,D点を通る連続線で描かれる曲線を言う.今ここでA〜D点でのフローを解説してみよう.左図に示すごとく,縦軸にフローを横軸に肺胞内圧をとってみると,A点での肺気量においては,左側上図のごとく肺胞内圧を高めれば高めるほど,フローがふえることが確かめられている.同様にB〜D点での肺気量においてフロー・肺胞内圧曲線をとってみると,ある肺胞内圧まではフローがふえるが,ある点,b〜d点からはいくら肺胞内圧を高めてもフローが一定値をとり増加しない事実が確かめられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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