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文献詳細

雑誌文献

検査と技術2巻12号

1974年12月発行

文献概要

病気のはなし

尿路の病気

著者: 三木誠1

所属機関: 1慈恵医大・泌尿器科

ページ範囲:P.16 - P.19

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尿路の解剖と生理
 尿路といえば腎,尿管,膀胱,尿道の総称で,前2者を上部尿路,後2者を下部尿路と呼びます.上部尿路には男女間で著しい差異はありませんが,下部尿路では性器との関係で男女間にかなりの違いがあり,このことは病気の診断や治療にあたってもきわめてたいせつなことです,図(次ページ)はそれら解剖学的事項を示したものです.
 腎は後腹膜腔で脊柱の両側にあり,肋骨や腰筋などにより外界から保護されています.手拳大のソラマメ形の臓器で,その主な機能は体内の水分および塩類の調節と代謝産物の排泄です.腎と膀胱を結ぶ細い管が尿管です.その長さは25〜28cmあり,蠕動により尿を腎から膀胱まで運びます.膀胱は骨盤底部にある中空の臓器で,尿管口から送り込まれた尿をたくわえ,一定量たまると排尿筋と括約筋が互いに拮抗的に働き,尿道を通じて体外に残らず排出します.なお尿管口には弁のような働きがあり,一度膀胱に送られた尿は尿管内に逆流しないようになっています.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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