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文献詳細

雑誌文献

検査と技術2巻12号

1974年12月発行

文献概要

技術講座 生理

シグナルとノイズ・9

著者: 石山陽事1 根岸勇2 近藤美佐子2

所属機関: 1虎の門病院生理学科 2慈大病院中検電気生理

ページ範囲:P.57 - P.59

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《サンプル1》
1.解答
 根岸 肢誘導はノーマルに比べて問題はないと思います.いわゆる波高の変化,Pの変化とか,紙送りが不整であるとかという問題は肢誘導には全然見られません.次に,胸部誘導で目につくのは,ゲインが1/2,1/1両方とられているんですが,1/1のほうですとⅤ3,Ⅴ4,Ⅴ5,でQRSがそれぞれ重なり合っていてはっきりわからないのですが,1/2にすると明確にわかります.
 ここで気がつくのは,ノーマルと比べると移行帯の位置がズレています.ノーマルの場合の移行帯の位置はⅤ3にありますが,この例ですとⅤ2に移行帯がきている.詳しく言いますと,ノーマルのⅤ2はRの高さよりもSのほうが深くなっている.Ⅴ3でRとSがほぼ等しくなってきています.このⅤ3の位置が移行帯と考えるわけです.ところがこの例ではⅤ2のほうがRとSがほぼ等しく,Ⅴ3がSが深くてRが小さい.Ⅴ4ではRが大きくなりSが小さくなってきている.本来ならばⅤ1から比べるとⅤ2のSは深くて,Ⅴ4でRが大きくなってくる.すなわちその途中のⅤ3のところが移行帯といわれるところです.それがⅤ2のほうに移行している.これはⅤ2とⅤ3の導子を逆につけてしまったのではないか,と考えられます.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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