文献詳細
文献概要
医学の進歩をになった人々
アレクサンダー・フレミング・3
著者: 中溝保三1
所属機関: 1都立荏原病院
ページ範囲:P.49 - P.51
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フレミングはペニシリンを発見し,これを報告した.しかし彼が青カビからつかみ出したペニシリンの量はほんのわずかのもので,ときどき大学の患者の皮膚の化膿巣に応用する程度でしかなかった.彼はこの物質を治療面よりも,むしろ純細菌学的の目的に使用した.すなわち,2種か3種の細菌の混在している検査材料から特定の細菌を選び出すために,培地にペニシリンを加える方法を考案したのである.そして他の何人もペニシリンに積極的の興味を示さず経過しているうちに,プロントジルが画期的な化学療法剤として輝かしい脚光をあびることになってしまった.この薬剤は,レンサ球菌だけでなく,髄膜炎菌,肺炎双球菌,淋菌にも有効であることが明らかにされた.
1935年のある日(ペニシリン発見後7年め)セント・メアリーズ病院の食堂で,フレミングは産婦人科医のダグラス・マックリオドから産褥熱に対するプロントジルの驚異的の効果の実験談を聞かされて,これに反論した.
フレミングはペニシリンを発見し,これを報告した.しかし彼が青カビからつかみ出したペニシリンの量はほんのわずかのもので,ときどき大学の患者の皮膚の化膿巣に応用する程度でしかなかった.彼はこの物質を治療面よりも,むしろ純細菌学的の目的に使用した.すなわち,2種か3種の細菌の混在している検査材料から特定の細菌を選び出すために,培地にペニシリンを加える方法を考案したのである.そして他の何人もペニシリンに積極的の興味を示さず経過しているうちに,プロントジルが画期的な化学療法剤として輝かしい脚光をあびることになってしまった.この薬剤は,レンサ球菌だけでなく,髄膜炎菌,肺炎双球菌,淋菌にも有効であることが明らかにされた.
1935年のある日(ペニシリン発見後7年め)セント・メアリーズ病院の食堂で,フレミングは産婦人科医のダグラス・マックリオドから産褥熱に対するプロントジルの驚異的の効果の実験談を聞かされて,これに反論した.
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