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文献詳細

雑誌文献

検査と技術2巻4号

1974年04月発行

病気のはなし

甲状腺の病気

著者: 長滝重信1

所属機関: 1東大第3内科

ページ範囲:P.16 - P.19

文献概要

甲状腺とは
 甲状腺とは甲状腺ホルモンであるサイロキシンやトリヨードサイロニンを分泌する内分泌器官です.前頸部の中央で喉頭隆起(のどぼとけ)のすぐ下方にあり,喉頭の両側にある左右の部分(葉)が,中央の細い狭部で結合した形をしています.重さは15〜20gで,少し腫脹すると嚥下運動といっしょに動く隆起として外部からも容易に認めることができます.この腫脹した甲状腺は甲状腺腫と呼ばれます.
 甲状腺の生理的な機能は甲状腺ホルモンを生成し,甲状腺にたくわえると同時に必要に応じて甲状腺ホルモンを血液中に分泌することですが,甲状腺ホルモンは身体中のほとんどすべての細胞の活性を維持するという大事な役割を持っているので,分泌の調節機構に異常が起こり甲状腺ホルモンが多量に分泌されたり(甲状腺機能亢進症),逆に分泌量が減少したり(甲状腺機能低下症)すると,いろいろな障害が起こってきます.甲状腺からのホルモン分泌は脳下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモンによって促進され,この甲状腺刺激ホルモンの分泌は血液中の甲状腺ホルモン濃度が上昇すると下垂体のところが抑制されます.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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