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文献詳細

雑誌文献

検査と技術2巻7号

1974年07月発行

文献概要

病気のはなし

小腸の病気

著者: 松永藤雄1

所属機関: 1弘前大第1内科

ページ範囲:P.16 - P.19

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小腸とその働き
 一般に"腸が悪い"と言われる表現は,主に消化吸収の悪いことを示します.しかしあまりに漠然としていて,これでは病気の本態をつかむことはできません."腸"の悪い時起こる腹痛でも,腸か腸間膜か腹膜か,あるいは膵臓や胃であるかもしれません.たとえ医師がこの表現を用いたとしても,これは患者の訴えを裏返しにしただけであって,診断したとは言えません.ほんとうの診断をして病気の本態にせまり,真の治療を行うためには,数多くの臨床検査を必要とします.そして罹患している場所は腸と推定したあとも,そのどの部分に,どのような原因で,どのような変化を起こしているか,を確定してのちに,初めて診断と言えるのです.X線検査や内視鏡検査を含めて,臨床検査がその決め手をになうので,生化学的,病理組織学的,酵素学的,組織化学的などの多方面にわたった複雑きわまるいろいろの検査技術が活躍する舞台です.臨床検査が傍役ではなく,診断の主役をなす場合が少なくありません.
 さて腸は小腸と大腸に分かれ,それぞれ分担している働きが違います.大腸については別に述べられるので,ここでは小腸の解剖と機能の輪郭をまず述べておくこととしましょう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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