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文献詳細

雑誌文献

検査と技術2巻7号

1974年07月発行

文献概要

技術講座 生化学

標準液とコントロール血清—その必要性と問題点

著者: 野本昭三1

所属機関: 1信州大病院中検

ページ範囲:P.60 - P.61

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 臨床化学の定量分析で標準液として用いられるものには,目的物質の純品を水または有機溶媒に溶かしたもの(A),有機成分を血清または尿など体液に含まれている量と近似的に共存させた溶液からなるもの(B),さらにまた患者血清そのものをプールして多量に集め均等に混和してから精確な方法で個々の成分を分析して,これを含量既知血清としたもの(C)の3つがある.
 今から15年くらい前までは大部分のところでAを用いた分析が行われていたもので,臨床化学の総合的なレベルの向上に伴ってB,Cが一般化してきたといえるようである.B,Cの必要性についてはすでに前回もこの項で少しふれたが,一口に言ってしまうと,化学の定量分析は元来試料中から目的物質をできるだけ純粋に分離してから計られるのが基準となっているが,臨床化学分析の場合,微量化,迅速性などの面から目的物質の分離,純化を省略せざるを得ないことが多いために,検体にできるだけ近い組成を持ったものを基準液としたほうが,いろいろのエラーを軽減できるからである,ということになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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